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【特集】地域のつながり方

地域のつながり方

浦和付近は利便性の高さや教育環境の良さから、高度経済成長期に『ベッドタウン』として発展。
多くの住宅が建ち並び、駅前を中心にさまざまなお店が増え、地域全体が賑わった一方で「人と人のつながり」が薄くなっていった。

筆者も2才の頃に都内から浦和に引っ越し、青春時代を過ごした。
学生時代は基本的に家と学校の往復で、休日は部活に行くかたまに家族で遠出をするのが常で、地域の人とつながりを感じる機会はほぼ皆無だった。

転機は、20代の前半に浦和駅近くのバーでアルバイトを経験した時。
近所の人や周辺のお店の店員さんが多く、来店するお店でたくさんのお話を聞かせてもらい、時にはお酒をご馳走になった。

駅前のバーにお忍びで芸能人が通っていること、
若者に人気のコーヒー屋と隣の焼き鳥屋のオーナーは実は兄弟ということ、
唐揚げが美味しい定食屋は、浦和レッズが買った翌日のランチタイムの定食にデザートをつけてくれること。

一見他愛もない話だが、テレビやネットでは知れない地域の話を聞けることが本当に楽しかった。
バーで働いた日々がきっかけで地域に顔見知りが増え、地域の一員となれた、そんな気がしたのだ。

もちろん、地域で人とつながることは煩わしさを感じることもある。
ネット上で価値観や趣味の合う人とつながることが簡単に出来る現代ではなおさらだ。

それでも挨拶を交わしたり、雑談を出来る人がいることで、地域への安心感や愛着は全く異なってくるのではないだろうか。

そんなことを思いながら浦和付近の情報を調べてみると、多くの「人がつながる」きっかけとなる活動があることに気づいた。
この地域にはきっと「人とつながりたい」というニーズが多く潜んでいるのだろう。

この特集では、地域の「人と人のつながり」を生んでいる浦和内外のさまざまな団体・イベント・メディアを紹介していく。

それぞれのペースと心地良い距離感で、「つながり」を作るきっかけや参考になることを願って。

text & photo:菊村 夏水