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多世代で利用できる地域の食卓に。 / l’orto (ロルト)

お子さま歓迎

さまざまなスパイスが織り混ざって生まれた、食欲をそそる香り。噛むごとに変化する刺激的な味。
どちらも逃すまいと、じっと嗅覚や味覚に神経を集中させながら食べたくなる。

食べるたびに、スパイスカレーの奥深さに関心させられてしまう。
しかし、お腹がゆるい僕にとっては、刺激が強いなと感じることもあり、食べるのには少しの覚悟と勇気が必要だ。

『ロルト』のスパイスカレーはそんな人にとって救世主のような存在だと思う。

辛さが控えめでありながら、スパイスの良さも存分に活かされていて、物足りなければ、後から卓上のスパイスで辛みを足すことも出来る。

「先日、最年少記録を更新したんですよ。2歳半のお子さんが完食して」と、ロルトの創業メンバーの1人、大野さん。

「多世代で利用できる、地域の食卓のような場所」を作りたいと、もう1人の創業メンバー加藤さんと一緒に2021年12月4日にお店を開店。

大人も子供も一緒に食べられる看板メニューを考えた結果、辛さ控えめのスパイスカレーが誕生した。
「カレーは好きな人が多いですし、スパイスは体に良いんですよね。それに野菜をたくさん使用できることもポイントでした」

カレーにトッピング出来るお惣菜。テイクアウトも可能。

ロルトでは料理に、埼玉県産の野菜や規格外野菜を使用している。
規格外野菜とは、農協や小売店が設定した規格に収まらない野菜のことで、お店では取り扱ってもらえないために、多くが廃棄されてしまう。

「個人的な興味から、ある農家さんで畑仕事を手伝わせてもらった時に『規格外野菜』の存在を知りました。人間も身長や肌の色が違うように、野菜にも個体差があるのは当然のことで。規格に収まっていないだけで味に変わりはないので、積極的に仕入れさせてもらっています」

規格外野菜の正しい認識を広げていきたいと、料理以外にも野菜の店頭販売を行っている。季節によっては10種類ほどの野菜を取り扱うことも。
「日によっては、野菜を購入するために列ができることもあります。お昼の時間帯まで野菜を買いにくるお客様だけでカフェ利用者がいない、なんてこともありました(笑)」

ロルトでは普段からお客様と積極的にコミュニケーションを取り、規格外野菜について伝えるようにしている。
列ができるほどに、店頭販売が浸透したのは普段のコミュニケーションの成果なのだろう。

ある日の店頭販売の様子

「こちらから一方的にお話をするだけではなくて、お客様からいただいたご意見をお店運営の参考にすることも多いです」
今では人気メニューの一つになったパスタメニューは、お客様の声が元になって誕生した。

新しいメニューを考える上で、野菜をたくさん食べてもらえること、お客様の声を参考にすること以外にも大切にしていることがある。

「何度も来たいと思っていただくために、周辺のお店では食べられないメニューを出すようにしています。クレープはまさにそうですね」

冬にはサツマイモを使用したスイートポテトクレープを、夏にはズンダを使用したズンダクレープを提供。季節の食材を味わえて、大人から子供まで多くの人に好評だ。

スイートポテトクレープ

「『発酵黒ごまサバカレー』も他では食べられないと、人気のメニューの一つなんです。カレーに醤油麹を使っていて、野菜×スパイス×発酵が掛け合わさり、とっても体に良い一品です」

開店して1年と2ヶ月。地域に馴染んできていると実感する機会も増えてきた。

「『また来ますね〜!』とおっしゃってくださったお客様がご家族やご友人を連れて、本当にまた来てくださるんですよね(笑)。孫・親・祖父母、親子3世代でいらっしゃって、同じメニューを召し上がっていただくこともありました。地域の食卓として機能してきたのかなと感じる瞬間でしたね」

お店を、カフェをしたい大学生に間借ししたり、アルバイトをしている人にアクセサリーのワークショップを開催する場所として提供する予定もあり、「地域に開かれた場所」として活用される機会も徐々に増加。

アクセサリーの店頭販売も行っている

「今後はもっと、間借しやイベントスペースとしてお店を解放する機会を増やしていきたいと考えています」

カフェの名前である「ロルト」はイタリア語で『野菜畑』を意味している。
これからロルトでどんな種が撒かれ、どんな芽を出していくのだろう。

SHOP INFO

  • 店舗名: l’orto(ロルト)
  • 所在地:埼玉県さいたま市緑区芝原1ー5ー16
  • お問合せ・ご予約:050ー3554ー1516もしくは instagramのDMより
  • 営業日:要確認(Instagramから。)
  • 営業時間: AM11:00〜PM7:00
  • SNS:@lorto_cafe