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まちのお財布事情を見える化することで、実態に合ったまちづくりを増やしたい。 / 堀 哲郎

まちづくり

税理士試験でタブーと言われる5科目同時受験への挑戦

━ そんな選び方だったのですね!

堀さんそうなんですよ(笑)。やや諦めに近い雰囲気でなんとか両親も説得できまして、税理士資格を取るための専門学校に入学しました。

━ 専門学校はいかがでしたか?

堀さんまず税理士試験の受験資格を得るためには、大卒じゃない人は当時のルールだと「日商簿記検定1級」という試験に合格する必要がありまして。
そもそも簿記知識がゼロで3級も持っていなかったのですが、いきなり1級の試験勉強から始めたら半年後に合格できまして。

━ 3級も2級を飛ばした上でさらに半年で!

堀さん今まで勉強をまともにしたことがなかったので、やり方がわからなかったのですが、お笑いのためにと、とにかく必死でしたね。

━お笑い芸人で天下をとるための本気度が伝わってきます。税理士試験はいかがでしたか?

堀さん税理士試験は科目が11科目ありまして、必須科目や被ってはいけない科目もありますが、基本的に11科目のうち5科目に合格すると税理士試験自体に合格となるんですよね。
試験は一年に一回のみで。毎年1科目ずつ受けて、順調にいけば5年くらいかけて5科目合格を狙うのが一般的で、同時受験するとしても3科目が現実的な上限なんですよね。
僕は一年目に2科目受験したのですが、残念ながらどちらも落ちてしまって。

思いっきり変顔で撮影現場の笑いを取るユウマくんw

━ そうだったのですね。調べてみると1科目の平均合格率が10~15%前後と超難関ですね…。

堀さん今思えば、勉強法がだいぶ良くなかったのですが、当時の自分は全力でやったので、それで落ちたのが悔しくて、すごく自分と税理士試験に対して怒りがこみ上げてきたんですよね。それで翌年は5科目、一気にすべて合格してやる!という謎のギアが入って。

━ えっと、相場だと多くとも3つですよね。しかも前年に2つ落ちているんですよね(笑)。

堀さんそうです。
5科目同時受験は、全滅する可能性が高いので業界内でもそれだけはやるなと言われていまして。
当然ながら学校のほとんどの先生にも反対されました(笑)。

━ それはそうですよね(笑)。

堀さんですが、そのまま強行して(笑)。
ほぼ毎月、全国模試があったのですが、その結果はかなり良かったんですよね。基本的に5科目全部でTOP3に入っていました。

━ それはすごいですね!

堀さんしばらくはその調子だったので、これは本当にいくぞ!と。

━ それは思いますよね

堀さん5科目一気に合格するのは当時は15年に1人ぐらいしかいないらしくて。年1回の試験の受験者数は6万人くらいだったのでやや天文学的な数字だけど、「よし、やっちゃうぞ〜」と当時は思っていましたね(笑)。
ところがどっこい、現実はそんなにうまくいかなかったんですね。

━ 何があったのでしょうか。

堀さん試験が近づいてくると1科目、2科目受験の人がぐんぐん仕上げてきている感じがあったんですよね。模試の結果も差を詰められて初めの頃ほど良くはなくなってきて。徐々に焦りも感じ始めましたね。

さらに試験に関して不安の種がありまして。
1科目につき2時間の試験なのですが、それがほぼ5科目連続で続くんです。
流石にその対策はできていなくて(笑)。
最後の方は頭がショートしてましたね。

━ それはハードですね(笑)。

堀さんそういった難しい状況だったのですが、結果的に一気に3科目受かることができたんですよ。

━ おお、すごいですね

堀さん3科目同時合格も滅多にないことなので、周りの方は褒めてくれましたね。
この経験は自分の今までの人生の中でもかなりターニングポイントだったように感じます。

博打に近かったのですが、一気に3科目合格できて5科目合格が明確に見えましたし、もしそこで全部落ちてたら、税理士試験自体をやめていたかもしれないですね。