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15歳でのトップチームデビュー、『FIFA女子ワールドカップ2019』『2020年 東京オリンピック』の日本女子代表メンバーに選出。順調だったキャリアを襲った大怪我を乗り越え、もう一度日本女子代表の舞台へ / 池田咲紀子

浦和

キャリア初の長期離脱を乗り越えて

── これまで、チームでの活躍はもちろん、2019年に開催された『FIFA女子ワールドカップ 』や2021年に開催された『東京オリンピック』の日本女子代表メンバーに選出されるなど順調なキャリアを歩まれてきたように思えます。
ただ、一昨年の代表合宿中に前十字靭帯断裂をして、復帰までに1年弱を要しましたよね。怪我の直後はどのような心境だったのでしょうか。

池田さんこれまでにも怪我をしたことはありますが、復帰までの期間は長くても2ヶ月程度だったので、人生初の長期離脱でした。怪我をした直後は正直実感が湧いていなくて。
足は痛いけど、ここから長期間のリハビリがあるとは全く想像出来ていなかったです。

手術をした直後の2~3ヶ月間は頭の整理がつかなくて、何が原因で怪我をしてしまったのかずっと考えてしまいましたね。
今まで通りのように動ける自分が想像できず、サッカーを辞めることまで考えました。

── そこまで気持ちが追い詰められていたのですね…。いつ頃から気持ちに変化がみられたのでしょうか?

池田さん怪我をしてから4ヶ月経った頃にグラウンドでボールを蹴れる段階まで回復してきたんですよね。
その後、グラウンドで過ごせる時間が長くなったりチームのみんなと会えるようになったことで、もう一度サッカーをしたいという前向きな気持ちになっていきました。

── リハビリはいかがでしたか?

池田さんメディカルチームの方が、怪我の再発を避けることを最優先に考えてメニューを組んでくれました。
そのため負荷の低いメニューをこなす期間が長く、私自身の感覚的にはもっと負荷の高いトレーニングができるのではともどかしさを感じてしまうこともありましたね。

徐々に動ける範囲が広がったタイミングで無理をしてしまい、1ヶ月くらいまた休まないといけない期間もありました。
早期復帰をしたいと気持ちが焦っていたのかもしれません…。

ただ、思うようにいかなかった期間も含めて、今では「怪我をして良かったな」と思えています。

── なぜそのように思えるようになったのでしょうか?

池田さん怪我をするまではチームで試合に出続けていたり、日本女子代表メンバーにも選出されて、比較的順調なキャリアを歩めている感覚がありました。
ですが怪我をしたことで、練習ができること、試合に出られること、その環境が整えられていることが当たり前じゃなく、幸せなことだと身をもって実感できたんですよね。

── 身をもって体感したからこそ、腑に落とすことができたのですね。
長期間のリハビリを経て、2023年6月10日に行われた昨シーズンのリーグ戦最終節、対『ちふれASエルフェン埼玉』戦で復帰を果たしましたよね。久しぶりの試合はいかがでしたか?

池田さん周りの選手やスタッフの方が声をかけてくれたこともあって、思ったよりは緊張しなかったんです。
試合前のアップでグラウンドに入るとファン・サポーターの方々が声をかけてくれて、復帰したことを実感しました。

シーズン最後の試合に出ることで、チームやファン・サポーターのみなさんに問題なくプレーできるところを見せられたことは良かったです。

── 8月26日から新シーズンがスタートしましたが、どのようなシーズンにしていきたいですか?

池田さん怪我明けとは思わせないパフォーマンスをみせたいなと思っています。
2023年 7月下旬から8月下旬にかけて開催されていた『FIFA女子ワールドカップ2023 』に出場できずとても悔しかったので、もう一度日本女子代表に選出されたい気持ちが強くありますね。

そのためにもまずはチーム内での競争に勝ち、試合に出続けられるようにしたいです。
また、チームとしてはリーグ戦で二連覇をするチャンスがあるので狙っていきたいですね。