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好きこそものの上手なれ。 / AYA BALLERI STUDIO

お子さま歓迎

岸町の住宅街を歩いていると、突如現れるヨーロッパのような建物。
バレエの本場、ロシアで研鑽をつんだ中川彩さんが運営する、子供から大人まで幅広い年齢層を対象としたバレエスタジオだ。

中川さんのお母さんがデザインした看板

初めて会ったのは町内で開催された交流イベント。凛とした姿勢とハキハキとし受け答えをする姿がとても印象的だった。

「本当は人前に出たり、喋ったりすることはあまり得意ではなくて」
インタビューを始めると、背中を丸めながら少し照れくさそうに教えてくれた。

中川さんは浦和で生まれ育ち、本場ロシアの学校でバレエを学び、その後現地のバレエ団で活躍。
日本に帰国後、バレエの指導を本格的にスタートした。
さまざまなスタジオでアシスタントをしながら、ご自身でもスタジオを運営し指導。
そして最近、スタジオを拡大してグランドオープンした。

バレエを始めたのは、幼稚園生の時にテレビで見たバレエの番組がきっかけ。
父の勧めもあり近くのバレエスタジオに通い始めた。
「ピアノにプールにバスケットに吹奏楽…当時、色々な習い事をしましたが、どれも続かなくて(笑)。バレエは、唯一自己表現が出来ているように感じたんですよね。踊っているときはむしろ人前に出たいくらいです(笑)」


中学からはバレエ一筋で、どんどんと、のめり込んでいき、徐々にプロのバレリーナになることを意識し始めた。
「私が中学生くらいから、プロを目指すなら海外に留学をする風潮があったので、私も高校卒業のタイミングでの留学を目指しました」

高校に進学後、留学をするためにオーディションを受け始めたが、なかなか受からない日々が続く。
高校3年生になるまでに留学が決まらない場合は、バレエを続けること自体を諦め、大学受験の勉強を始めると決めていた。

徐々に焦りがつのり始めたが、あきらめず受け続けた結果、吉報が届く。
「2年生の終わりにロシアの『ペルミバレエ学校』のオーディションに合格することができました。このオーディションに合格できなければ諦めようと思っていたのと、ロシアに留学することを希望していたので、合格して嬉しかったのを覚えています」


喜びも束の間、「ロシアでの学校生活は過酷なものでした」と話す中川さん。

国立の学校で、授業は実技だけでなくロシア語や音楽史、フランス語などの座学の授業も。
生徒はロシア以外にもブラジル、イギリス、アメリカなど、世界中から集まっていたそう。
「同学年の留学生は9人ほどいましたが、卒業までには半数以下になっていました…。
環境が合わない子もいれば、学年末テストに受からず退学した子もいましたね」

中川さん自身も食事が合わなかったり、言葉が思うように通じないことでホームシックを経験した。

実技の授業では、海外の人との骨格や手足の長さといった体格面での違いを痛感。
さらに、先生から満足な指導をしてもらえない日々が続く。
「成績が良い人ほど、先生が近くにいるスタジオの真ん中で授業を受けられるシステムでした。
初めの頃、私は端の方にいたのでほとんど先生の視界に入っていなかったと思います(笑)」

そのような厳しい状況でも、自分の持ち味をアピールしたり、他の生徒との違いを出すために必死に考える日々。
「海外の人は感覚的に踊る人が多い印象だったので、振り付けの意図を考えて、それをいかに表現するかを意識していました」
在学中、壁にぶつかるたびに、考えて行動し苦しい状況を乗り越え続けた。

大人クラスは幅広い年齢層の方が通っている。

「正直、語りきれていない大変なことも、まだまだあります(笑)。
でも、『好きこそものの上手なれ』という言葉がありますが、私はバレエが好きだからこそ、ここまで続けることが出来たと思っています」
過酷な環境でも続けてこれたのには、バレエに対する純粋な想いがあった。

この想いはスタジオの運営方針にも現れている。
「出来ることが増えるほどに、自然と楽しくなりますし、それがバレエを好きになるきっかけにもなると思うので、通う日数は少なくとも週に2回からとしています」

日数にこだわりがあるのは、取り入れている指導法にも関係がある。
「指導法は私が学校で学んだ、バレエの本場ロシア発祥の『ワガノワ・メソッド』を基にしています。ダイナミックかつ繊細な動きが特徴的で、その動きを実現するために基礎トレーニングをしっかり行うメソッドです。スタジオに入って基礎を身に付けるまではどうしても地味な練習が多くなってしまうので、出来るだけ早く基礎を身につけてもらうためにも通う日数を多くしています」

「基礎を身に付けると、一つ一つの所作が本当に美しくなるんです…!」と噛み締めるように話す中川さん。生徒への想いを尋ねてみると、とても純粋な言葉が返ってきた。

「バレエを好きになってもらえるよう、生徒には魅力を全力で伝えています。もし好きになって、コンクールで賞を取ったりプロになりたい子がいれば、全力でサポートをしていきたいです。でも究極は、なんでもいいのですが自分が熱中できること、好きなことを見つけてもらいたいと思っています。私がそうだったように好きな気持ちが、大変なことを乗り越える原動力になると思うので。その好きなことがバレエだったら嬉しいです」

生徒について話す中川さんの姿勢は凛としていた。

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